吉村 千哉子
Chiyako Yoshimura

 白日に曝された廃屋、そしてそれを覆い隠さんばかりに増殖する植物、この両者の対比がおもしろい。ひとつの要素それだけを撮りつづければそれが表現できるかというとそうではなく、お互いを際立たせるために対比させる、またそれらがせめぎあっているところを撮るというのもよい表現方法だと思う。天候を選んで撮ったという強い日ざしがよりいっそう廃屋の荒れたさまをさらけだすことに成功している。また、ここでは植物の群れていく様が想像できて時間の流れなども感じさせる。(記 奥勝浩)


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