銭湯の恍惚

 今日の午後、以前表紙を撮っていた雑誌をみていると 「銭湯」の特集がありました。 その中で、近所にも銭湯があることを発見!
ここしばらく心身ともにストレスを溜めこんでいるなぁと 感じていたので、これはいいリラクゼーションかもしれないと 思い、さっそく行ってきました。

 銭湯に入るなんて何年ぶりだろうと思いながら、 ドアを開け番台でお金を払うと、すでに9:30。 中には2名ほどのお客さんだけでした。
 木のレトロな番号札の靴箱に靴を入れて、服を脱ぎ、浴場へ。 大きな浴槽にはなみなみと「湯」が。となりのやや小ぶりな 浴槽には「超音波」と書いてあります。ブクブク出ている泡が 気持ち良さそうです。
「前」を隠すのがマナーなのかどうかと迷いながら、 先ずは大きな浴槽に浸かりました。
肩までたっぷりのお湯、足を伸ばして首を浴槽の縁にもたれて いると、お湯の温度が体の中までじんわりと伝わってくるのが わかります。日頃自分の部屋で、せわしなくシャワーをあびる のとは全然違う感覚で、体と神経とが解きほどかれていく 感じです。
 ほどなくして、体を洗いにあがり、ずらっと並んだ 蛇口と鏡の前に(ここをなんと呼べばいいのか、すでに知りません。  きっと昔はその呼び名があったはず)。 「貸タオル」と30円の薄い石鹸とで体を洗って、今度は 隣の「超音波湯」へ。ブクブクと出てくる泡で全身を マッサージされていると、体が浮いてくるような感じです。 もし水中で呼吸ができるなら、このまましばらく沈んでいたいと 思いました。ポコンという桶の音と、となりの女湯から聞こえてくる 近所の女性とおぼしき声と、あふれる湯の音をBGMに、そのまま 眠ってしまいそうでした。

浴槽からあがると、なんだか体がフワフワと浮いたような 感じです。滑らないようにゆっくり歩いて脱衣場へもどると 古めかしいマッサージ機がありました。
「100円だろうな」と思い近づくと、なんと 20円! ポニーテールの正体不明の男がマッサージ機に座って うっとりとマッサージされている姿はきっと不思議な光景 だったのでしょう、番台のおじいさんはずっと私を 見ていました。
溢れるお湯と「超音波」とマッサージとで、僕の体は 軽くなって、フニャフニャに溶けてしまいそうです。

 ふと時計をみると10:30、閉店の時間です。 お客さんはみな、「ありがとう」と番台に声をかけて 帰っていきます。
靴をはいていると、戸締りをはじめておじいさんが寄ってきて 「気持ちよかったでっしょ」と声をかけてくれました。 僕も他のお客さんにならって「はい、ありがとうございました」 といってドアをあけました。
時間はすでに11:00でしたが、まだ食事をしていなかったもので ふらっと入った店でビールとおいしい魚を食べました。

 わずか340円でこんなにリラックスできるとは・・・。 あぁ、幸せ。 気分がよかったので、帰りにコンビニで 猫へのお土産にチーズも買って帰りました。
今は12:50、でもまだ体はポカポカしています。

 「みやこ湯」 福岡市南区大楠3-8-27(高宮駅から徒歩3分)
  Tel 092-531-3348 5pm-10:30pm  土曜日休み
  大人 340円 中人(?)160円  小人 60円
  貸タオル・石鹸・「あめゆ」もありました。

 今夜はほとんど恍惚の人

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